公開セミナーの記録 (3)

江頭ホスピタリティ事業振興財団研究開発助成採択課題
「ホスピタリティの系譜学 ━ 客-敵、歓待-排除の二項対立を超えて」
公開セミナー

ホスピタリティでつなぐ世界・仕事・静岡

2021年1月25日(月)
11:00~15:30 Zoom開催

趣旨説明:松森奈津子 (静岡県立大学)
「ホスピタリティ」は今「もてなし」の心や言動を表す言葉として使われますが、その語源はラテン語のhospitalitas(歓待)に遡るもので、「もてなし」にとどまらない広い意味をもつ言葉です。歴史的に見ると、ホスピタリティ概念は「客」と「敵」、「歓待」と「排除」といった二面性の下で思考されてきたのです。本セミナーではこうした歴史的展開を、演奏(第1部)、キャリア支援(第2部)、昔話(第3部)の視点から考察します。コロナ禍で心身ともに疲弊しがちな日々、音楽に癒やされ、対話を通じて将来に希望を見出せる機会になればと思います。

第1部 11:00~12:00
「排除か歓待か―音楽にみる『新世界』」

講師:eRika (ヴァイオリニスト)
司会:松森奈津子
クラシック音楽の基礎知識を交え、アメリカ大陸をめぐる楽曲演奏を披露いただきます

第2部 13:00~14:00
「キャリアの中のホスピタリティ―仕事とおもてなし」

講師:eRika
司会:松森奈津子
長年の海外経験をふまえ、フリーランスの専門職として働くことについてご講演いただきます

第3部 14:30~15:30
「異人歓待と羽衣伝説―ホスピタリティの系譜学における静岡」

講師:松森奈津子
よく知られた昔話を題材に、ホスピタリティ論と静岡の関係を考察します


講師紹介

eRika

京都生まれ。中学校卒業後単身渡米。17歳でニューヨークのマネス音楽大学に入学。卒業後、欧米でデビュー。その後ジュリアード音楽院、パリエコールノルマル音楽院で研鑽を積む。国内外のコンクールで最優秀演奏賞を受賞。ルーマニア国立オーケストラ他と共演。2019年より「A Shooting Star 47」と題し現在全国ツアー中。2020年12月28日初めてのCD「eRika 2020 TWENTY-TWENTY」発売。ラジオパーソナリティーとしても活動。(FM79.7「erikamusica2you」)ウエブサイトhttp://erikamusica.com

松森奈津子

東京都生まれ。スペイン政府給費奨学生として、国立マドリード大学政治社会学部博士課程修了(Ph.D., 政治学)。青山学院大学助手などを経て、現在静岡県立大学准教授。この間、国立サラマンカ大学、慶應義塾大学、京都大学、ハーバード大学、マックス・プランク研究所などで教育研究活動を行う。著書に、The School of Salamanca in the Affairs of the Indies (Routledge, 2019), 『野蛮から秩序へ』(名古屋大学出版会、2009年、サントリー学芸賞)、Civilización y barbarie (Biblioteca Nueva, 2005)など。


会場

新型コロナウイルス感染症対策のためZoom会議で開催いたします。


  • 本セミナーは、江頭ホスピタリティ事業振興財団研究開発助成事業、静岡県立大学特別講義予算、科研費国際共同研究強化(A)、基盤研究(B)に基づくものです。